SPECIAL CONTENTSスペシャルコンテンツ

BEAUTY AWAKE

HURRAH AND THINGS ヤマザキ ケンユウ/KENYU YAMAZAKI

STYLIST’S VIEW

 冬の新潟の空は鉛色です。それを見てどんよりした気持ちになる人もいるかもしれません。空といえば、晴れ渡るスコーンと抜けた青空が美しいと感じる人も多いと思います。でも僕は、この新潟の鉛色の空も美しいと感じます。新潟の空が好きです。
 鉛色の空だからこそ光に敏感になれる。ここにいるから感じられる楽しさがある。ここにいるから見える美しさがある。そんなふうに思っています。
一心不乱に毎日
丁寧に仕事をする
 地方に住んでいると「東京に追いつこう」というような、嫉妬に近い気持ちを持つことがあるかもしれません。若いころの僕はそうでした。そんな気持ちがこうじて、新潟から日本を、そして世界を変えてやる!と鼻息荒く構えていました。今もその思い自体に変わりはありませんが鼻息は荒くありません。自分のやるべきことが少しずつわかってきた気がしています。

 僕はもともと負けず嫌いです。陸上競技の選手だったころは、ただただひたすらに走り込んでいました。団体競技ではないから戦う相手は自分。昨日までの自分のタイムを今日の自分は超えていく。苦しくて大変なはずなのに、僕は楽しくて楽しくて仕方ありませんでした。そんな僕が脚の故障をきっかけに陸上をあきらめ、美容師になろうと思ったのは、HURRAHのオーナーである白倉和宏が過去に営んでいた美容室「BEANS IN THE POCKET(ビーンズインザポケット)」と出会ったからです。
 新潟には、若い人たちが遊ぶ場所は大都市のように多くはないかもしれません。でも与えられていないなら、自分たちでつくりだす。自分たちで遊べる場所や場面をクリエイトする。そうして生まれてきたものの中に「BEANS IN THE POCKET」があり、また、ハワイでもなくカリフォルニアでもない、僕たちが育んできた地元の新潟のビーチカルチャー「潟(ガタ)フォルニア」もあります。
 「誰とおにぎりを食べるか」。僕は、オーナーの白倉とよくこんな話をします。みんながうらやましがるような立派なお店で豪華なものを食べる。それはそれで素敵なことだと思います。でも、どんな場所であろうとも、心を通わせた仲間と食べるおにぎりは、いちばんのごちそうだ。そんな価値観を白倉とは共有しています。

 尊敬できる先輩に出会い、美容師として生きていくと決めた僕にとって、猛練習はあたりまえでした。もともとが負けず嫌いですから(笑)、スタイリストテストの日まで時間があれば練習し、テストに落ちればその日はそのまま朝まで練習をして、翌朝に再テストの申し入れをする。そんながむしゃらなアシスタント時代でした。美容師としてデビューしてからも、ライバルを超えるために業界誌を隅々まで読み、有名美容師のみなさんに少しでも追いつこうと撮影やコンテストなど、常にチャレンジを続けてきました。
 今も僕の負けず嫌いに変わりはありません。でも拳を掲げて闘うのではなく、自分たちが自分たちらしい在り方をして、他者と敵対するのではなく対話をすればいいと思うようになっています。東京を超えるとか、そういうのって、なんか違うな。そんなふうに思えてきたのは、もしかしたら続けてきたチャレンジが少しずつ誰かの共感を生み、ホントに少しずつだけれど、見える景色が変化してきたからかもしれません。そしてだからこそ今もこうして、まだまだ成長したいと思えるのかもしれません。
 今日のモデルさんは、17才の高校生。もともと可愛いけれど、高校生特有のアカ抜けない感じがあったので、彼女のパーソナルな部分を大切にしながらも、髪型を変えて、もっともっと彼女のよさを引き出せたらと考えました。パーマもカラーもしたことがない彼女に、パーマもカラーもして、ガラッと変えられたら、と。
 髪を切ることは、人生を変える体験になる。今の僕は、そう思っています。最初のころは、ヘアデザインのチカラがわかりませんでした。でも他人の髪を切れば切った分だけ、その人の人生が変わっていることをお客さまから教えていただきました。そして、キャリアを重ねるうちに、ヘアデザインのチカラが何なのかが少しずつわかるようになってきました。まだまだ言葉にするのは簡単ではないけれど(苦笑)。
 最近は、感動があってはじめてデザインと呼べる、とそんなふうに思っています。ニーズは、人それぞれでみんな違う。問題やコンプレックスも違う。それを解消するだけでなく、どこかにサプライズがあり、お客さまが思っている以上のものを提供できるところまでいくと、感動が生まれる。ヘアデザインは、感動できるものでありたいと思っています。感動には余韻がある。そんな余韻が残るような、記憶に残るような仕事ができればと思っています。

 毎日、毎日、サロンのフロアに立ち、お店が休みのときはセミナー講師として各地に出向き、もっと可愛いもの、もっと美しいものを!という思いに突き動かされて作品をつくり、一心不乱に美容師という仕事に取り組んでいます。
 サロンワークひとつとっても、クロスをつけるとき、ハサミを入れるとき、パーマのロッドを巻くとき。その所作ひとつひとつにお客さまへの思いを乗せています。それは、お客さまが本当に大切だから。お客さまに美しいものがあるから。
 一心不乱に没頭できる仕事に出会えた。それは僕にとって、とても幸せなことだと思っています。そして負けず嫌いな僕は、その幸せをいつまでも味わっていこうと思っています。

HAIR STYLE

  • VIEW
    ALL
  • Photo 01
  • Photo 02
  • Photo 03
  • Photo 04
  • Photo 05
  • Photo 06
髪型 ヘアカタログ 髪型 ヘアスタイル HAIR CATALOG.JP BEAUTY AWAKE BEAUTY AWAKE ヘアスタイル BEAUTY AWAKE ヘアスタイル
髪型 ヘアカタログ
髪型 ヘアスタイル
HAIR CATALOG.JP
BEAUTY AWAKE
BEAUTY AWAKE ヘアスタイル
BEAUTY AWAKE ヘアスタイル

AFTER THE BEAUTY AWAKE

 新潟の海は青くありません。でも僕は、青くない海の中にも美しさを感じ、感動できる心を持っていたいと思っています。他人がキレイと思わず、憂いてしまうものの中に、キレイと思えるものを見つける、見出すことのできる感覚を大切にしたい。そしていつか。そういう美しさもいいね。そういう見方もあったね。そんなふうに思ってくれる人が増えたらいいなと思っています。

ヤマザキ ケンユウ
HURRAH AND THINGS スタイリスト

詳しいプロフィールはこちら

 

Page top