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ヘアスタイルの自由度は
その人の自由度のバロメーター

山田 そういえば、※『しんびよう』に作品を掲載するときにモデルをやってもらったのって、麻由ちゃんが何歳のころだったんだろう?

近藤 あれはね、大学生のころ。髪の毛をホワイトブリーチで真っ白くして、すっごく気分が上がった。だから当時の私の学生証はね、髪が真っ白なの(笑)。それより少し前の高校のころは、ツイストパーマにハマっていたんですよね。

山田 麻由ちゃんの高校は美術系だったから、ヘアスタイルは比較的自由だったよね。

近藤 そうそう。くりくりのパーマのコもいればグリーンの髪色のコもいた。みんな自分を主張できるヘアスタイルにしていたな~。私は入学式にドレッド風のツイストパーマで行ったので友だちが見に来たりしておもしろがっていました。そんな自由な雰囲気の校風に憧れてなのか、近くの学校から編入してくる人もいましたよ。

山田 ヘアスタイルって、その人が「自由かどうかがわかる」ひとつの象徴かもしれないね。

近藤 うん! いつも千恵さんには「おまかせ」でオーダーしていたけれど、二人して気分で、行き当たりばったり(笑)。

山田 確かに行き当たりばったりだったかもしれないけれど、そのときの気分とか、その時代の気分って、大切だよね。でも麻由ちゃんくらい、いろいろなヘアスタイルをやっていると、「次は何にしようか?」の選択肢がなくなってくる(笑)。だんだんやったことのない髪型がなくなっていくし。

近藤 今のこのボブも何度目かな?

山田 バリエーションの違いで、ボブはもう何度もやっていると思うよ。

近藤 そうそう。同じなんだけど、毎回、変えているよね。似ているけれど、違う。

山田 さっき、表参道のエッジがなくなってきているって言っていたけれど、「ヘアスタイルを変えるため」にヘアサロンに来てくれる麻由ちゃんのような人も減ってきているのかもしれない。

近藤 そうなんですね。私はいつもヘアスタイルを変えるのが楽しみで千恵さんのところに行きますよ。

山田 トライを楽しむ人が減っているような気がする。そういう意味で、トライを楽しんでくれて、本当に長く通ってくれている麻由ちゃんは「美容師をやっていてよかった」って、そのときどきで思わせてくれる大切な存在。やる気がわく!

近藤 自分の髪の毛を使って美容師さんが新しいものをつくってくれるって、私にとってはうれしいこと。

山田 人ってさ、新しいことにチャレンジするときに発見があるんだよね。

近藤 そうなんですよ。むしろ新しいことをやらなきゃ、新しい発見なんてないんじゃない?

山田 ファッションやヘアスタイルを変える。それによって、自分のほうから周りからの見られ方を変えようとしたり、周りからいつの間にか自分の見られ方が変わったり。

近藤 そのささやかなアクションが自分の中にいろいろな発見を与えてくれるから楽しいんですよね。

※『しんびよう』 美容業界の中で最も歴史のある新美容出版が1945年に創刊した雑誌。現在は『SHINBIYO』と名前を変えている。

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