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たった一杯のコーヒーが時間をおいしくするARiSE COFFEE

Doubleのスタイリスト外山美紀子さんが「LIKE IT!」スポットに選んだのは
清澄白河のARiSE COFFEE。そこで今回は、日本におけるサードウェーブ
コーヒーの立役者でもあるARiSE COFFEEオーナー・林大樹さんを訪ね、
あれこれお話を伺いました。

ARiSE COFFEEの店内は 人と人との心の距離が近くて なんだかとっても心地いい

 おしゃれなレストランを探したり、おいしいパン屋さんをハシゴしたり、お休みの日には、ちょっとした冒険をするのが大好きです。そんな冒険の中で出会ったお宝スポットが清澄白河のARiSE COFFEE。清澄白河は、日本におけるサードウェーブコーヒーの発信拠点として、最近、いろいろな人たちから注目されていますが、ARiSE COFFEEは、というよりも、オーナーの林大樹さんは、まさにそのウェーブの火付け役のような存在。林さんが手がけるのは、狭い店内に焙煎機が置かれたARiSE COFFEE ROASTERSと、自然光が差し込むおしゃれなカフェARiSE COFFEE ENTANGLEの2つのお店です。魅力的なのは、そのどちらもが本当に地域密着型で、誰もが肩肘張らずにコーヒーを楽しめることなのです。

 今回、最初に訪ねたのは、林さんが2店舗目にオープンしたカフェ、ARiSE COFFEE ENTANGLEです。コーヒーは、ドミニカをはじめ、コロンビア、グアテマラ、エチオピアなど5~12種類ほどが常備されています。黒板に書かれた豆の名前のところに動物のマークがついているのがオススメですが、好みのテイストをわがままに伝えたり、おまかせでオーダーすれば、「おぉ!」という一杯を提案してくれます。こういうコーヒー専門店って、初訪問のときは、なんとなく緊張してしまうものだけれど、ここは、「豆はこれで軽めに」という細かなリクエストもできるし、コーヒーにくわしくなくても笑顔で相談に乗ってもらえるので、コーヒー初心者さんでも心配ご無用。そして何をオーダーしても、豆を挽くところから始め、ドーナツドリッパーで丁寧に一杯一杯、抽出してくれます。これぞ、スペシャリティコーヒー!といった感じ。「コーヒーってこんなにおいしい飲み物だったんだ!」と毎回、感動します。店内には、コーヒーはもちろん、ブラジルプヂンというユニークなこだわりのプリン、そして近隣のパン屋さん、コトリパンのバケットを使った自家製サンドイッチなどもあります。

 オーナーの林さんは、老舗の焙煎卸会社で焙煎士として10年以上経験を積んだのち、沖縄の自家焙煎のオープンカフェを訪ねたり、町にとけ込んでいるコーヒー屋さんと出会う中で、誰もが気兼ねなくなごめる空間をつくろうとARiSEをオープンさせたのだとか。行くたびに、地元のお客さまだけでなく、コーヒー好きで遠方からわざわざ足を運んできたお客さまと会話されている姿を見かけます。そしてこのお店がすごいな~と思うのは、お客さま同士もまるで前から知り合いだったように自然と会話をしてしまう空気が流れていること。ARiSEでは、15分前に来たばかりのお客さまを別の方が常連さんだと勘違いすることも多々あるそう。
 そんな林さんになぜ焙煎士になったのか? なぜ清澄白河にお店を構えたのか?疑問をぶつけたら、全部、ストレートに答えてくれました!

林 大樹

ARiSE COFFEE ROASTER
オーナー兼焙煎士

老舗の焙煎卸会社、山下コーヒーで焙煎士のキャリアをスタート。その後、The Cream of the Crop Coffeeの立ち上げに関わり、焙煎責任者として活躍したのち、2013年夏に独立。日本でseed to cupを知る焙煎士のひとり。全日本コーヒー商工組合連合会認定コーヒーインストラクター1級。

「文化服装学院出身で、卒業後はアパレルで働いていたんです。自分の手で何かをつくり出すのが好きだったんでしょうね。でも、ファッションブランドのZUCCAがDragonfly Cafeをオープンさせたちょうどそのころ、僕ももっと人の生活や日常に深く、長く関わる仕事がしたいと思うようになっていて……。あれこれ考えた末に、コーヒーの道にドロップアウトしたんです(笑)。家で豆を挽いてコーヒーを淹れる父親がいるようなエンゲル係数の高い家庭に育ったせいか、本質を突きつめたいと思ったら、出てきた答えが焙煎士でした。
 清澄白河にお店を出したのは、スケボーで気兼ねなく動ける場所はどこだろう?と探していて出会った町がココだったというだけ。隅田川のそばには、スケボーを走らせるのにちょうどいい場所がいっぱいあるんです。14年ほどこのエリアに住んでいて、東京の下町らしい風情が残っているのも気に入っているし、そんな中で暮らしている人たちの気どらない性格も大好きで、気づくといつもお客さんとおしゃべりばかりです(笑)。ARiSEは町の観光案内所のようにもなっているんですよ。
 コーヒーって、僕にとっては、一部のマニアに喜ばれる非日常のうんちくのための飲み物ではなくて、そこで暮らす人々の日常にとけ込んだもの。だから、そういう意味でもこのエリアがぴったりなのです。今は、7才から94才までのお客さんが、その人のペースで足を運んでくださっていて、近所のスペシャリティコーヒーのお店の方もよく来てくださいますよ」

 林さんのお話を聞いている間にも、コーヒーを飲みに来るお客さまだけでなく、通りがかりの人が挨拶の声をかけたり、コーヒー豆を買うために立ち寄ったりしています。カフェから、焙煎機が置いてあるARiSE COFFEE ROASTERにお話の場所を移した途端に、タクシーの運転手さんから豆のオーダーの電話が入るほどの盛況ぶり。
「僕は焙煎士なので、家での再現性を大切にしているんです」と林さん。「家での再現性」だなんて、美容師?のセリフと思ってしまいました(笑)。
「その豆にとって適切な焙煎ができてさえいれば、プロのバリスタが淹れた、店で飲むコーヒーに近い味が家でも楽しめるはずです。よく『ARiSEは居心地がいい』とお客さんがおっしゃてくださいますが、僕としては、まずコーヒーの品質が第一で、その次が接客です。生の豆を仕入れて状態を確認して、どのような焙煎がその豆の個性を生かすのかを見極める。お客さんと話しながらも焙煎中は、豆が弾けるクラックの音に耳は敏感です」

スケートもコーヒーもただの趣味でなければ、ただの仕事でもなく、日常。

 林さんが最初にオープンさせたARiSE COFFEE ROASTERSには、壁いっぱいにスケートボードが飾られています。「僕にとっては、スケートもコーヒーもただの趣味でもなければ、ただの仕事でもなく、日常です。生涯、自分の中で存在し続けるもの。スケートボードもコーヒーも、それが好きだというだけで、国籍も肌の色も関係なく、世代も性別も関係なく、垣根を越えられるコミュニケーションツール。だから、僕は、きっと生涯焙煎士でい続けるんじゃないかな?」

最後に「HAIR CATALOG.JPにオススメの一杯は?」と聞くと
「ドミニカのWiney Natural」というお答え。
この芳醇なワインのようなコーヒーと林さんのつくり出す
不思議に心地いい空間を体験したければ、ぜひARiSEへ!

ARiSE COFFEE ENTANGLE

アライズ コーヒー エンタングル
住所:東京都江東区清澄3-1-3
TEL:03-5875-8834

ARiSE COFFEE ROASTERS

アライズ コーヒー ロースター
住所:東京都江東区平野1-13-8
TEL:03-3643-3601

営業時間:9:30−18:00
定休日:月曜日
コーヒー:M 390円~、L 490円~
コーヒー豆:100g 750円~

http://arisecoffee.jp/

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