STYLIST’S VIEW
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美容師とは、お客さまにヘアデザインを通して喜んでもらう仕事です。だから、ベテランやカリスマと言われる人だけでなく、美容師はみんなお客さまをきれいにしたい、喜んでもらいたいという気持ちがあるものだと思います。でも、振り返ると僕はその中でも、特にそこにこだわってやってきたという自負があるんです。

髪を通して
お客さまの「道」のひとつに
お客さまの「道」のひとつに

「お客さまよりもお客さまを想う」というのが、僕の大切にしていることです。噛み砕くと「僕が担当させてもらいます」という気持ち……、誰よりもお客さまを中心に。それは、僕がこれまでの美容師人生で培ってきたこだわりです。
実は、それは美容師を志した当初から持っていたものではありませんでした。僕の美容師としての本当の始まりはAIMANTとの出会い。オーナーの渡部(伸和さん)と、前に勤めたお店の先輩だった山本(紫峰子さん)が一緒にお店を出すときに合流させてもらいました。
前に勤めたお店も恵まれた環境で充実した日々を送っていたのですが、どこか「もっとやりたい」という気持ちを抱えていて。当時、渡部が技術やフォトのコンテストで成果をあげていたのに憧れを抱いていました。また、当時から山本のことは、いちばん身近な先輩として技術や接客など、サロンワークのすべてを尊敬していました。
実は、それは美容師を志した当初から持っていたものではありませんでした。僕の美容師としての本当の始まりはAIMANTとの出会い。オーナーの渡部(伸和さん)と、前に勤めたお店の先輩だった山本(紫峰子さん)が一緒にお店を出すときに合流させてもらいました。
前に勤めたお店も恵まれた環境で充実した日々を送っていたのですが、どこか「もっとやりたい」という気持ちを抱えていて。当時、渡部が技術やフォトのコンテストで成果をあげていたのに憧れを抱いていました。また、当時から山本のことは、いちばん身近な先輩として技術や接客など、サロンワークのすべてを尊敬していました。

そんな二人が一緒にお店を出すというので、技術者デビュー前のアシスタントでしたが、オープニングスタッフとしてAIMANTのスタートに携わりました。
AIMANTでの日々は、前職と違う厳しさがありました。クリエイティブワークや撮影など、これまでやりたくてもできなかった世界に触れられる一方で、すべてが厳しくて。デビューのためのカリキュラムにも苦労しましたし、叱られてばかりでしたが、やりがいが大きく楽しい毎日でした。毎日のように駅前でモデルハントをして、お客さまを呼ぶ努力もしました。
AIMANTでの日々は、前職と違う厳しさがありました。クリエイティブワークや撮影など、これまでやりたくてもできなかった世界に触れられる一方で、すべてが厳しくて。デビューのためのカリキュラムにも苦労しましたし、叱られてばかりでしたが、やりがいが大きく楽しい毎日でした。毎日のように駅前でモデルハントをして、お客さまを呼ぶ努力もしました。
そんなときに、大きな挫折を味わいました。技術モデルを引き受けてくれた方から大きなクレームをいただいたのです。
自分なりに、その方の希望を聞き最善を尽くしたつもりでしたが……。「この髪型で外に出たくないです」と言われてしまいました。
あってはならないことです。今でも、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
でも、その経験の反省と痛みが、今の僕をつくってくれたのかもしれないと最近思うようになりました。
まず、その経験で反省したのは、自分の技術に自信を持ちすぎていたということです。それの自分への過度な自信が、お客さまの気持ちを汲み取る目を曇らせていたのだと気づきました。技術に自信を持つのは本来いいことですが、「お客さまが求めるもの」を自分が本当に理解しているかどうか、慢心していないか……。常に自分に疑問を投げかけ、考えること。習慣的にそういう自問自答をするようになりました。
そうやって、「お客さま本人よりもお客さまのことを想う」という軸ができました。丁寧にカウンセリングをして、言葉に表れないニーズのもっと奥深くまで……、と追求するようになったのです。
自分なりに、その方の希望を聞き最善を尽くしたつもりでしたが……。「この髪型で外に出たくないです」と言われてしまいました。
あってはならないことです。今でも、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
でも、その経験の反省と痛みが、今の僕をつくってくれたのかもしれないと最近思うようになりました。
まず、その経験で反省したのは、自分の技術に自信を持ちすぎていたということです。それの自分への過度な自信が、お客さまの気持ちを汲み取る目を曇らせていたのだと気づきました。技術に自信を持つのは本来いいことですが、「お客さまが求めるもの」を自分が本当に理解しているかどうか、慢心していないか……。常に自分に疑問を投げかけ、考えること。習慣的にそういう自問自答をするようになりました。
そうやって、「お客さま本人よりもお客さまのことを想う」という軸ができました。丁寧にカウンセリングをして、言葉に表れないニーズのもっと奥深くまで……、と追求するようになったのです。


そうは言ってもただ“御用聞き“をするのではなくて、お客さまの悩みや求めることに対して、提案をするのも重要です。そして、少しの“僕らしさ“、爪痕を残せるようなスタイルを。それを心がけているのですが、言葉で「こういう持ち味」と説明するのが難しいなと思って……。
そこで今回は、高校時代の同級生で、僕ががんばって成果につなげることができたクリエイティブワークを衣装デザインで支えてくれていた友人にモデルをお願いすることにしました。パタンナーという職業柄、もともとおしゃれで自分に似合うものもよくわかっている人。その制作過程ではぶつかり合ったこともありました。
厚めの前髪がトレードマークで、キュートな顔立ちによく似合っていました。それを大きくイメチェンするのではなく、僕なりの“+α“で、もっと彼女らしくコンフォタブルにアップデートしたい。そうやって新しい表情を引き出したいと思いました。
厚めの前髪がトレードマークで、キュートな顔立ちによく似合っていました。それを大きくイメチェンするのではなく、僕なりの“+α“で、もっと彼女らしくコンフォタブルにアップデートしたい。そうやって新しい表情を引き出したいと思いました。
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僕はヘアデザインを通して、そのお客さまにとっての「道」のひとつになれたらいいなと思うんです。ライフステージの変化など、さまざまな岐路がありますが、その道を進むための装備をいろいろ用意して提案し、可能なら一緒に渡ってこれからもそばで歩んでいきたい。
失敗もしましたし、まだまだ自信を持っていると言えるとは思いませんが、少なからず来店し続けてくださるお客さまがいるので……。僕自身も、正解に近づいているのかな? と、そんなふうに思います。
失敗もしましたし、まだまだ自信を持っていると言えるとは思いませんが、少なからず来店し続けてくださるお客さまがいるので……。僕自身も、正解に近づいているのかな? と、そんなふうに思います。
HAIR STYLE












AFTER THE BEAUTY AWAKE
僕はもともとセンスがあるタイプではありません。美容専門学校では、僕よりおしゃれな子だらけだと思っていました。でも、人より努力するのが苦にならないタイプで、やめたいと思ったことは一度もありません。センスは努力でどうにかできると信じているんです。そして、自分の強みが「お客さまに寄り添うカウンセリング」だとわかったのは、渡部と山本という“大きな背中“があってこそです。
西出大祐
AIMANT 店長
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