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BEAUTY AWAKE

SUMI 井野雪穂/YUKIHO INO

STYLIST’S VIEW

 見惚れてしまったんです、たまたま手にとったヘアスタイル雑誌の表紙に。それがSUMIを含めたグループの代表である西村(晃一)さんのヘアスタイル作品でした。それで新卒の面接を受けましたが、結果はダメで……。でもどうしても入りたくて、手紙を書きました。自分でもそんな大胆な行動を起こすなんて想像もしていなかったけれど、“ビビッときた”から、そこであきらめるわけにはいかなかったんです。
悩み、揺れ続ける日々。
その先に何があるのか、私は見たい
 サロンに入りたいという精いっぱいの気持ちを手紙にぶつけましたが、なかなか返事はありませんでした。それで待ちきれずサロンに電話をしました。とにかく必死でしたね(笑)。そのとき運よく西村さんと話すことができて、“今年の採用はもう決まってしまったけれど、手紙をくれた気持ちはうれしい。来年また挑戦してくれたら井野さんのことは覚えているし、きっとプラスになるから”と言ってもらえました。そこであきらめたわけではありませんが、美容専門学校を卒業後別のサロンに就職しました。
 そして1年目の終わりごろ、アメ村で開催されたDJイベントに行ったらたまたま西村さんと多恵さん(西坂多恵さん・SUMI代表)もいらっしゃっていて、人混みのなか多恵さんが私に気づいてくれたんです。“何してるの?”と聞かれ、“別のサロンに就職したけれど、もう一度面接をしてほしい。どうしても一緒に働きたい”と言いました。そのあと多恵さんに髪を切ってもらったときに改めて熱意を伝え、1年越しに願いが叶って働けることに。美容師をやるかぎりはずっと同じサロンで働きたいと思っていた、そのスタートラインに立つことができました。サロンに入ってからは学ぶこともたくさん、チャンスもたくさんいただいて、あきらめなくて本当によかったと思っています。
進化する自分を
お客さまに感じてもらいたい
 学生時代もアシスタント時代も壁にぶつかったことがなく、スタイリストデビューに向けてポンポンと進み、トップスタイリストのメインアシスタントにつかせてもらっていました。その先輩の撮影ではメイクを担当したりして充実していたし、何より念願叶って入れたサロンなのだからそのまま夢中で突っ走ればよかったのに、そうはいきませんでした。心にブレーキがかかって、“やめたい”と言ったことがあるんです。スタイリストデビュー直前の5年前、SUMIができてすぐくらいのときです。多恵さんのほかにスタイリストは私だけになる予定で、しょうもないことだと思うんですけど、二番手っていう立場とか、スタイリストとしての自分の魅力のなさとか、いろいろ重なって苦しくなって。逃げ出したい一心で、“やめさせてください”と言おうと思って多恵さんを呼び出しました。多恵さんは何も言わず私の泣き言を聞いてくれたあと、ひと言“勢いでやめたらもったいない。一緒に頑張ってみようよ”と励ましてくれました。あのときの多恵さんの言葉があったから、今も頑張れているのだと思います。
 SUMIはおしゃれな人、おしゃれになりたい人が集まるサロン。期待値の高いお客さまが多いので、常に技術や接客を磨いていなければなりません。同じ形でもお客さまそれぞれが求める色みや質感のちょっとしたニュアンスを汲み取り、表現する。そこには自信があります。“おまかせで!”と言っていただけることも多く、うれしいですね。今回のモデルさんも“長さは変えたくないけれど、おまかせで”と言ってくださったので、顔まわりを切り込んで雰囲気を変えることを提案。表面を短く切り、マッシュウルフにしました。あとパーマをかけたいとの希望があったので強めのウエーブにし、モデルさんの雰囲気のある魅力をより引き出しました。
 おしゃれな人が好き、目立つことが好き。だからSUMIで働いているし、少し前までは派手なファッションが私のトレードマークでした。でも本当は心配性で、1年半前に店長になるときも“抜擢された”と意気込んだのは最初だけで、すぐに“私なんかで大丈夫かな”と不安でいっぱいになりました。スタッフミーティングでさえ、“ちゃんとしなきゃ”と思うあまり緊張して、頭が真っ白になってしまうこともあります。
 そんな私に自信をくれたのは、お客さまです。お客さまが少なかったころは、納得いくまでお客さまと向き合い、一緒にヘアスタイルを完成させることができていました。でも、少しずつお客さまが増えてくると、限られた時間の中で今までと同じように満足していただかなくてはなりません。その状況に追いつくことができなかった私は、“もっと時間をかけて切りたかったのに”“もっとお客さまに寄り添いたい”“こんなことならお客さまが増えないほうがいいんじゃないか”と後ろ向きになってしまいました。そこでもがき苦しみ、たりないのは自分の技術力だと気づいたんです。それから自分の技術を見直すようになり、お客さまが帰られたあとに頭の中に展開図(カットの設計図)を引っぱり出して、“もっとこう切ったほうがいい”“次はこう切ろう”と思い描く訓練をしました。その積み重ねがあり、少しずつお客さまに信頼してもらえるようになったことが技術の向上につながったのだと思います。あと、今は後輩のカットを見ているのですが、彼がわからないことは納得いくまで聞いてくるタイプなので、感覚ではなく自分がきちんと理解できていないと答えられない。それが刺激にもなっています。進化する自分をお客さまに感じていただけていたらうれしいですね。カットをしているときがいちばん楽しい。今は胸を張ってそう言えます。
 西村さんや多恵さん。憧れの背中はまだまだ遠く追いつくことができません。でも、先輩だからって負けたくはありません。少しでも近づくためにやらなければならないことが山積みで、将来こうなりたいとかは、今の私の脳内にはありません。楽しいし、必死。それだけです。

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AFTER THE BEAUTY AWAKE

 今でも自分のことを“ヘタくそやな”って思うこともありますが、お客さまを可愛くする自信はあります。“絶対に可愛くするぞ”っていうのが私のいちばんの思い。あとはお客さまとの心の距離感に気を配りながら寄り添い、そのときどきの気持ちや繊細な空気感まで感じとる。それをつかんだうえで技術に入りたいなと常に思っています。とにかく“一生懸命”ですね。

井野雪穂
SUMI店長

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