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映画
18

コロナ・パンデミックのその先の先

2021.02.18

みなさま、こんにちは。

また更新が滞り2021年が明けてしまいました。本当に大変な2020年でした…。みなさまはお元気でしょうか。映画の仕事についている者としては、かなりの「激動の1年」でした。まさしくあっという間に過ぎてしまった印象があります。みなさんは昨年映画館に1度くらいは行かれましたか? 普段映画館に足を運んでいる方が1度も行かなかったとしても全然不思議ではありません…。

 


2021年正月、とりあえずビリヤニ炊いてみました。多層に食材を重ねて炊く「ダム」。組み立て+加熱。なるほど面白いですね。

 

ということで、今回は去年の4月にコロナ下の映画館をレポートした私の投稿「コロナ・パンデミックのその先」の続編として、2020年末までの現況をお伝えしたいと思います(しかし実際問題「その先」の兆しは全く見えず、まだまだその混乱の「真っ只中」ですね…)。

去年の後半を改めて振り返ると、世の中の雰囲気とシンクロするように、コロナへの警戒感が薄れ始めていた10月頃からお客さんの出足も少しずつ回復している手応えがありました(とは言ってもその10月時点で前年に比べて60%の売り上げ減という状態)。11月に入りいくつかヒット作が上映できたりして、ほぼ前年レベルまで復活してきたような手応えを感じ始めていました。しかし感染者が増えていった年末にかけては、客足がじわじわと減っていき、軽く絶望感を抱きながら振り出しに戻った年初…そんな状況です。

状況に一喜一憂しながら過ごしてきた2020年ですが、コロナ・パンデミックによって明らかになったことや、厳しい状況下で逆に力を与えられたこともありました。

最も大きかったのは、こういう状況下でも、「映画を観たい」人がいることを実感できたこと。映画が人を惹きつけるパワーに改めて驚き、自分たちが上映を継続していく上で大変励みになりました。“映画館を休館する”という、今まで一度も経験したことのないことを4・5月に行い、「上映再開したところで果たしてお客さんはそこにいるのだろうか」という不安がすごくありました。しかし、6月1日の上映再開初日からお客さんが来てくれるのを目の当たりにして、人間の「映画を観たいという欲望」を見くびってはいけないのだと大変嬉しくも頼もしく思いました。映画館を創るのは、やはりそこに観に来る観客である、という思いを改めて強く感じました。

映画館を具体的に支援するクラウドファウンディング「ミニシアター・エイド基金」(https://motion-gallery.net/projects/minitheateraid)の成功も、大きな支えになりました。最初このファンドの目標額が1億円と聞いた時は、正直ずいぶん高い目標だなと思いましたが、なんと最終的に集まった額は3億円越え。経済的にも非常に助かりました。

もう一つ「仮設の映画館」という試み(https://www.temporary-cinema.jp)も、映画監督と配給会社が考えた素晴らしいアイデアでした。これは映画館が休館している間、オンライン上に映画館サイトを設け、そこに課金してオンラインで映画を観られる、という仕組みです。

以上大きなことをいくつか挙げましたが、そういうことで映画館というものの存在を、多くの人が求めているということを改めて認識できた年でもありました。NetflixやAmazonプライムの登場によって自宅で映画を観る傾向が強まり、映画館へ人が来なくなるという危惧が映画関係者の間でコロナ以前からありました。そこへ来てこのパンデミック。映画館自体の存在価値が改めて問われているような感覚があります。

 

そのような状況もあり、毎年行っているイメージフォーラム・フェスティバルは「上映すること」をテーマに掲げて開催しました(http://www.imageforumfestival.com/2020/)。不特定多数の人が真っ暗闇で、スクリーンに映し出されるイメージを見つめること。その力について改めて考えてみたいという思いで、あえてオンライン上映はせずに人数制限や消毒など、現在できる限りのコロナ対策をして、リアル上映中心のイベントを行いました。

 


10月にイメージフォーラム・フェスティバル特別企画として渋谷スクランブルスクエア屋上で野外上映をやりました。

 

正直に言って、先が見えない中で、上映中心のイベントを準備することについて大きな不安があり準備中はいろいろと迷いまくりました。しかし、サイレント映画にライブで音楽演奏する企画に参加してくださった映像作家の遠藤麻衣子さんの言葉を聴き、ハッとしました。「山下さん、今“祭り”が必要です。たとえお客さんがフェスティバルのスタッフだけだったとしても、私たちはやりますよ。」かっこいい!!とその時思いましたが、あとで考えてこの“祭り”という言葉は、なぜ人が「上映」に魅力を感じるのか、という問いに対して一つの答えになっているように感じました。人間が何千年も続けてきた営みとして、集まって一つのものを見つめたり陶酔したり、同じ気持ちを共有し経験しようとする“祭り”。今までの歴史をみれば、おそらくコロナ・パンデミックは、人間からこの“祭り”の欲望を奪い去ることはできないでしょう(オンライン初詣なんていうのもありましたが)。そういう言葉が聞けたりしたのも、2020年の大きな収穫でした。

 


イメージフォーラム・フェスティバル、上映後の監督ティーチインの様子。ポートランドのケリー・ライカート監督と。

 

2021年以降も、映画を始め色々なところでしばらく困難が続きますが、やっていくしかない! そんな気持ちでいる年初です。

 

 
2021年、いろいろ多方面に頑張りたいと思います。

 

 

 

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